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農薬の深イイ話

2020.09.01

タバココナジラミのバイオタイプ

農作物を加害するコナジラミ類は、オンシツコナジラミ、タバココナジラミ、ツツジコナジラミなどが知られていますが、話題の多いのはタバココナジラミのバイオタイプです。

●タバココナジラミのバイオタイプとは
タバココナジラミは世界的に分布し、形態的には区別できませんが、寄主植物や生物的特徴が異なる20以上のバイオタイプが知られています。バイオタイプ間では交雑が出来ないものもあり、複数の潜在種からなる種複合と考えられています。
日本では、これまでにバイオタイプB、Q、JpL、Nauruなど数種が知られています。
また一時シルバリーフコナジラミと呼ばれた種がありましたが、今はタバココナジラミのバイオタイプとして扱われています。
バイオタイプの判別は、形態学的な手法では困難で、DNAの塩基配列情報で行われています。

●加害作物は多岐にわたり約100種
バイオタイプBとQは国内ではナス科、ウリ科、キク科など100種近くの作物に寄生します。
主な寄生作物はトマト、なす、ピーマンなどなす科、きゅうり、メロン、かぼちゃなどのうり科、だいす、さやいんげん、えだまめなどのまめ科、さつまいも、アスパラガス、トルコギキヨウ、ハイビスカスなどです。

●オンシツコナジラミとの区別は両翅の開き
成虫は体長0.8mm、体色は淡黄色、翅は白色でオンシツコナジラミより全体がほっそりしていて、静止時に左右の翅が重なり合わず少し開いています。
幼虫も淡黄色、長楕円形で平たく、4齢幼虫で体長は0.8~1mm、中が盛り上がり周辺部は薄くなっています。卵は長楕円形、長径0.2mm、黄緑色で後に黒化します。

●幼虫は葉に固着して動かない
成幼虫とも寄主植物を吸汁して加害します。ふ化直後の1齢幼虫は歩き回りますが、その後は終齢(4齢)までは葉裏などに固着して生活しており、幼虫から成虫が羽化する不完全変態です。
発生は露地では少なく、ほとんどは施設栽培です。オンシツコナジラミはや野外で越冬できますが、タバココナジラミのバイオタイプは野外で越冬できず、冬季に栽培される施設内で越冬しています。
タバココナジラミが多く発生すると、吸汁によって葉が萎縮するほか、茎葉や果実が退色・白化し品質が劣化します。また幼虫の排泄物(ハニー)によってすす病が発生し、茎葉や果実が汚損され品質が低下します。

●ウイルス病の媒介
吸汁などによる直接的な被害に加え、バイオタイプのBとQはトマト黄化葉巻ウイルス(TYLCV)やウリ類退緑黄化ウイルス(CCYV)を媒介することによりトマト、メロン、キュウリに多くの被害をもたらしています。またバイオタイプQは殺虫剤抵抗性が発達しており防除上問題となっています。

●防除対策
耕種・物理的防除
 ・施設の開口部に防虫ネットを張り、侵入を防止する。
 ・黄色の粘着テープを設置して誘殺し、発生状況を確認する。
 ・苗を発生地から購入した時は、初期の発生に十分注意する。
 ・栽培終了時には施設を密閉し、野外への逃亡を防止する。
薬剤防除
 ・定植時に粒剤を施用する。
 ・繁殖力が旺盛で、発生密度が高くなってからは防除が困難なので、早期発見に務める。
 ・葉裏に生息するので、薬剤が葉裏まで十分付着するよう散布する。
 ・バイオタイプQは薬剤の感受性低下が報告されているので、効果の高い薬剤を選定する。
 ・薬剤抵抗性の発達を防ぐためローテーション防除を行う。

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